イギリス大学院出願におけるPersonal Statementの役割

Personal Statement(以下PS)は、イギリスの大学院出願において、志望理由や自分のバックグラウンドをアピールするための重要な書類です。PSは、単なる自己紹介文ではなく、自分が志望するプログラムにどれだけ適しているかを示す場です。大学側は、PSを通じて以下のポイントを確認します:

  • 学生がなぜそのプログラムを志望しているのか。
  • 学生の学問的・職業的背景がプログラムにどう貢献するか。
  • 志望分野で成功するための熱意や適性。

イギリスの大学院では、アカデミックな実績だけでなく、学生の個性や情熱、明確な目標を重視します。PSは、他の応募者との差別化を図るための絶好の機会でもあります。


Personal Statementに盛り込むべきこと

どの大学に出願する場合でも、PSにおいて必ず盛り込むべき要素は以下の通りです:

1. 志望理由

  • なぜその大学、プログラムを選んだのかを具体的に述べる。
  • プログラムのどの部分が自分に魅力的なのか、またそれが自身の目標達成にどう役立つのかを説明。

2. 学問的背景

  • 学部で専攻してきた分野や取り組んだ研究について具体的に触れる。
  • 得られた知識やスキルが、志望するプログラムとどう関連しているのかを示す。

3. キャリア目標

  • 修了後のキャリアプランを明確に述べる。
  • プログラムがその計画実現にどう貢献するのかを具体的に示す。

4. 応募に至った経緯

  • プログラムに関連する経験や出来事を取り入れる。
  • ボランティア、インターン、海外経験なども有効。

Personal StatementでやってはいけないNG行動

PSで避けるべき行動を以下に挙げます:

1. 一般的すぎる表現

  • 例:「私は教育に情熱を持っています。」→具体的なエピソードを交えた表現にする。

2. 大学の名前の使い回し

  • 複数の大学に出願する場合、コピー&ペーストがバレる表現は避ける。
  • 各大学に合わせた内容を作成する。

3. ネガティブな内容

  • 自分の弱点や失敗について触れる際は、その克服方法や学びを強調する。

4. 過度な自己アピール

  • 自慢や誇張に見える内容は慎む。
  • 謙虚かつ具体的な事実でアピールする。

Personal Statementの構成

PSを効果的に書くためには、以下のような構成が推奨されます:

イントロダクション

  • 志望理由を簡潔に述べ、興味を引く書き出しにする。

ボディパート

  • 学問的背景(研究内容や関連スキル)。
  • 実務経験や関連する活動。
  • 志望プログラムが自身の目標達成にどう役立つか。

結論

  • 志望動機を改めて強調し、意欲をアピール。
  • プログラムへの貢献や将来の計画を簡潔に述べる。

大学ごとに書くべき内容や指定文字数が異なる

イギリスの大学院では、各大学ごとにPSに求める内容や条件が異なります。以下では、LSE、SOAS、UCLの例を取り上げます。

1. LSEの場合

特徴: ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)は、1895年設立の社会科学に特化した世界的に著名な大学です。経済学、政治学、社会学、法学などの分野で高い評価を受けています。特に、政策研究や国際関係論においては世界トップクラスの教育・研究機関として知られています。LSEは、理論的知識と実践的スキルの融合を重視し、学生に対して批判的思考や分析能力の向上を求めています。

求められること: LSEの公式ウェブサイトによれば、PSには以下の要素を含めることが推奨されています:

  • 学問的背景と興味:これまでの学習や研究経験が、志望するプログラムとどのように関連しているかを具体的に述べること。
  • キャリア目標:プログラム修了後の具体的なキャリアプランと、そのプログラムがどのように役立つかを明確に示すこと。
  • 関連するスキルや経験:インターンシップ、ボランティア活動、職務経験など、プログラムに関連する実務経験やスキルを具体的に記載すること。
  • 志望動機:なぜLSEを選んだのか、特にどの教授や研究グループ、カリキュラムに魅力を感じているのかを具体的に述べること。

文字数: LSEのPSは、プログラムによって異なりますが、一般的に1,000~1,500語が推奨されています。ただし、各プログラムの応募要項を確認し、指定された文字数を厳守することが重要です。

2. SOASの場合

特徴: ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)は、1916年設立のアジア、アフリカ、中東地域の研究に特化した世界唯一の高等教育機関です。言語学、人類学、政治学、経済学、法学など、多岐にわたる分野で専門的な教育と研究を行っています。SOASは、多文化理解と社会的公正を重視し、学生に対して批判的思考とグローバルな視点を養うことを目指しています。

求められること: SOASの公式ウェブサイトによれば、PSには以下の要素を含めることが求められています:

  • 学問的背景と興味:これまでの学習や研究が、志望するプログラムとどのように関連しているかを具体的に述べること。
  • 志望動機:なぜSOASを選んだのか、特にどの地域やテーマに関心があり、それがSOASのどのプログラムやリソースと一致しているのかを明確に示すこと。
  • キャリア目標:プログラム修了後のキャリアプランと、そのプログラムがどのように役立つかを具体的に記載すること。
  • 関連する経験:フィールドワーク、ボランティア活動、職務経験など、プログラムに関連する実務経験やスキルを具体的に述べること。

文字数: SOASのPSは、プログラムによって異なりますが、一般的に500~1,000語が推奨されています。ただし、各プログラムの応募要項を確認し、指定された文字数を厳守することが重要です。

3. UCLの場合

特徴: ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)は、1826年設立のロンドン大学を構成するカレッジの一つで、世界的に高い評価を受ける総合大学です。科学、工学、医学、人文社会科学など、幅広い分野で最先端の教育と研究を行っています。UCLは、革新的な教育方法と多様性を重視し、学生に対して自主的な学習と批判的思考を促進しています。

求められること: UCLの公式ウェブサイトによれば、PSには以下の要素を含めることが推奨されています:

  • 学問的背景と興味:これまでの学習や研究が、志望するプログラムとどのように関連しているかを具体的に述べること。
  • 志望動機:なぜUCLを選んだのか、特にどの教授や研究グループ、カリキュラムに魅力を感じているのかを明確に示すこと。
  • キャリア目標:プログラム修了後の具体的なキャリアプランと、そのプログラムがどのように役立つかを記載すること。
  • 関連する経験:インターンシップ、ボランティア活動、職務経験など、プログラムに関連する実務経験やスキルを具体的に述べること。

文字数: UCLのPSは、一般的に1,000~1,200語が推奨されています。ただし、プログラムごとに異なる場合があるため、各プログラムの応募要項を確認することが必要です。

もっと詳しく知りたい人は以下の記事から具体的な例に従ってみてね

  • 各大学の公式ウェブサイトや、成功したPSの例を参考にすることをおすすめします。
  • 必要に応じて、プロのレビューサービスを利用するのも一案です。