1. はじめに
これからイギリス大学院への留学を目指す方の多くが、一度は「TOEIC」を受験した経験を持っているかもしれません。しかし、出願やビザ申請では「IELTS(アイエルツ)」という別の英語試験が求められることが一般的です。
この記事では、TOEICとIELTSの違いをわかりやすく整理しながら、これまでのTOEIC対策がどう活かせるか、そして留学後の大学院生活にも直結するIELTSの重要性について詳しく解説します。
違いを正しく理解し、効果的な準備を進めましょう!
2. TOEICとIELTSの基本情報【比較表付き】
2-1 TOEICとは
TOEIC(Test of English for International Communication)は、日本国内のビジネスシーンで最も広く利用されている英語試験です。特に就職活動や昇進基準として用いられることが多く、リスニングとリーディングの英語運用能力を測る「TOEIC Listening & Reading Test」が主流です。
※スピーキング・ライティングに特化した別モジュールも存在しますが、受験者数は比較的限られています。
2-2 IELTSとは
IELTS(International English Language Testing System)は、海外留学や移住を目的とする人向けの国際的な英語試験です。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能すべてを総合的に測定します。
留学の場合は、Academicモジュール(学術向け)を受験する必要があります。大学院出願やビザ申請では、このIELTS Academicのスコアが正式な証明書として求められます。
2-3 TOEICとIELTSの比較表
項目 | TOEIC | IELTS(Academic) |
---|---|---|
測定スキル | リスニング、リーディング(※別モジュールでスピーキング、ライティングも可) | リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング |
スコア形式 | 10~990点(5点刻み) | 1.0~9.0(0.5刻み) |
試験時間 | 約2時間(Listening+Reading) | 約2時間45分(4技能) |
主な用途 | 日本国内のビジネス英語力証明 | 海外大学・大学院出願、ビザ申請 |
2-4 IELTSの詳細情報を確認したい方へ
IELTSの試験形式や申し込み方法、受験会場の最新情報などは、IELTS公式ページから確認できます。
興味のある方は以下のリンクをご覧ください:
3. 出題内容・試験形式の違い【具体例】
3-1 リスニング
TOEICでは、ビジネス現場で使われる会話やアナウンスが中心です。短めの設問が多く、スピーディな対応が求められます。
一方、IELTSは、大学の講義形式のリスニングや、グループディスカッションの議事録作成など、より実践的な内容が出題されます。メモを取りながら聞く力も試されます。
3-2 リーディング
TOEICは、Eメールや広告などビジネス寄りの短文中心です。
IELTSでは、学術的な長文(例えば科学レポート、社会科学論文など)が出題され、分析的思考力と要約力が求められます。
3-3 ライティング
**TOEIC(通常版)**にはライティングセクションはありません。
IELTSでは、**グラフや表を分析して説明する課題(Task 1)**と、**意見を論理的に展開するエッセイ(Task 2)**の2問を限られた時間内に作成する必要があります。
3-4 スピーキング
**TOEIC(通常版)**にはスピーキングテストはありません。
IELTSでは、面接官と1対1で会話をする形式で、自己紹介、意見表明、与えられたテーマについて即興スピーチを行います。流暢さだけでなく、論理性や発展性も重視されます。
4. 対策方法の違いと、これまでのTOEIC勉強が役立つ場面
4-1 対策スタイルの違い
TOEIC対策は、限られた時間内に正確に素早く解くテクニックを重視する傾向にあります。
IELTS対策は、**「自分の考えを英語で表現する力」や「論理的な文章構成力」**が重要です。表現の正確さやアイデアの一貫性も問われるため、単なるスピードではなく、深い理解とアウトプット力がカギになります。
4-2 これまでのTOEIC対策が生きるケース
- リスニングのスピード対応力
TOEICで培った耳の速さは、IELTSリスニングにも確実に役立ちます。 - 英語の読解スピード
TOEICの読解力(特にPart 7)は、IELTSリーディングの時間配分戦略に応用可能です。 - ビジネス表現の知識
アカデミックとはジャンルが異なりますが、TOEIC対策で得た定型表現やロジカルな言い回しは、IELTSライティング・スピーキングの表現力アップに活かせます。
5. スコア比較:TOEICとIELTSの換算イメージ
TOEICとIELTSは本来別の試験なので、公式な換算表は存在しません。
ただし目安として、以下のように考えられることが多いです。
TOEICスコア | IELTSスコア(目安) |
---|---|
600点 | 5.0 |
730点 | 5.5〜6.0 |
860点 | 6.5〜7.0 |
※イギリス大学院出願にはIELTS6.5以上が求められる場合が多く、TOEIC860点以上でも油断はできません。
特に、スピーキングとライティングの力が不足していると、IELTSではスコアが伸び悩むケースもありますので注意が必要です。
6. なぜIELTSが留学・大学院生活に直結するのか
イギリス大学院での学びは、単なる暗記型ではありません。ディスカッション、エッセイ、プレゼンテーションが日常的に行われ、**「考えを英語で発信する力」**が求められます。
IELTSはこうした学術的・実用的な英語運用力を測定するため、試験対策そのものが留学生活の準備にもなります。
また、授業以外でも、
- 銀行口座開設
- 住居探し
- 医療機関とのやりとり
など、実生活の中で英語を使いこなす力が必要になります。IELTS対策を進めることは、現地での生活適応にも直結するのです。
7. まとめ:これから準備すべきこと
イギリス大学院留学を目指すなら、今の英語力を冷静に把握し、IELTS対策に本格的に取り組むことが重要です。
- 自分のTOEICスコアを参考にしつつ、IELTS模試を受験して現状を確認
- TOEICで培ったリスニング力・読解力をベースにしながら、ライティング・スピーキング力を強化
- 出願に必要なスコアを逆算して、余裕を持ったスケジュールを立てる
一人での対策に不安がある方は、早めにプロのサポートを活用するのも効果的です。
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